
女性のシルエットを美しく見せる上で重要なポイントとなるのがバストのふくらみです。バストには大小の問題もありますが、形やトップの位置によっても印象が大きく変わります。
中でも離れた胸はバランスが悪く、自分のシルエットに自信が持てなくなってしまいがち。
でも人と比べること等ないので、自分の胸が離れているのかは感覚的でしかわかりません。そもそも離れ乳ってどのくらいだとそう呼ばれるのでしょうか?
そこで今回の記事では、離れ乳の判断法やその原因を解説し改善法も紹介したいと思います。
サクッと流し読み(目次)
そもそも離れ乳とはどんな胸?
人の顔がそれぞれで違うように、バストの形や位置は十人十色です。例え同じサイズの女性でも、比べてみると実に多様な見た目をしています。
ではなぜバストの見た目に個人差があるかというと、骨格などベースになるものがそれぞれで違うためです。
そこでまずはベースとなる骨格(体型)ごとのバストをおおまかに分けて解説したいと思います。
骨格ストレート型(丸胴)のバスト
人の骨格には個人差があり、その特徴を分類すると大きく3つに分けられます。その中の1つが骨格ストレートと言われるタイプです。
骨格ストレートの人は全般的に筋肉質で、厚みのある体型なのが特徴。
バストに注目するとバージスラインが狭くトップが高いので、ボディラインにメリハリを感じます。胸元にも厚みがあるのでバストの山もはっきりとしているのが特徴です。
胴を輪切りにして上から見るとイラストのように丸みのある体型なので丸胴とも言われます。
もちろん全員ではないですが、だいたいの方がイメージする欧米人のスタイルは骨格ストレートに当てはまるかと思います。
骨格ストレートは丸みのある胴なので、バストが外側を向いてしまうのが難点です。つまり丸胴は骨格の問題で、そもそも離れ乳の要素を持っています。
平胴のバスト
丸胴と対比される平胴は、厚みのない体型で日本人に多いと言われています。平胴は正面の幅が広く(バージスラインが広い)、立体感に欠けるのが特徴です。
それでも上のイラストのように山のふくらみがちょうど良い場所にまとまれば、きれいなシルエットに映ります。
ところがせっかく中央できれいにまとまるバストも、外への流れが常態化すると離れ乳になってしまいます。
平胴に多いバストの形
バストの形はそれぞれで、中央にキレイな山が集まるとは限りません。上のイラストのように平胴の横幅に合わせてなだらかなふくらみになっている形もあるのです。
しかも後発的な原因でお肉が外側に流れると「のぺっとしたバスト」は、更に小さく見えてしまいます。
ふくらみの位置が離れたバスト
平胴のバストで元々ふくらみが離れているケースです。土台となる胴は平たいので膨らみ方は前を向いています。
でも山の間隔が広いので、印象的にかなり小さく見えるかもしれません。またこの状態からお肉が外に流れると更に貧相になってしまいます。
離れ乳の特徴
骨格などで離れ方はそれぞれ違うものの、離れ乳になると共通した悩みになるのが次の3つです。
- 胸が小さく見える
- 谷間を作りにくい
- 脇にはみ肉ができやすい
①胸が小さく見える
トップの高さが同じでも、外側にお肉が広がると視覚的に間延びして感じます。中央に寄った胸に比べてボリュームがないように見えてしまうのです。
ボリュームのある胸を目指す女子にとってこれは大問題。
胸が小さくてバストアップに励んでも、離れ乳だと結局は小さい見た目になってしまいます。
②谷間を作りにくい
「カップ数があるのになぜ私には谷間が出来ないのだろう」と悩んでいる人も多くいます。その原因の1つと考えられるのが離れ乳です。
トップが外向きだったり山が離れていたりすると、胸の中心に広いくぼみが出来てしまいます。そうなるとカップ数がある程度あったとしても谷間を作りにくいのです。
離れ乳はバストメイクしても、動いているうちにお肉が分散されてしまい思ったようになりません。
③脇にはみ肉ができやすい
「脇や背中のお肉がはみでてしまう」という悩みは本当によく聞きます。このはみ肉の原因の1つになるのが離れ乳。
離れ乳はお肉がブラにおさまらず、脇のはみ肉になりやすいのが特徴です。脇のはみ肉はボリュームを分散させるだけでなく、見た目もだらしなく見えてしまいます。
離れ乳はシルエットにマイナスの影響を与えるだけで良いことがありません。でも自分が離れ乳なのかはどうやって知ることが出来るのでしょうか?
そこで今度は自分が離れ乳なのかをセルフジャッジする方法を紹介したいと思います。
自分で簡単に判断できる離れ乳の測り方
離れ乳がどんな特徴なのかはわかっても、自分がそうなのかは確信を持てないかもしれません。
バストの形や位置には個人差がありますが、人と比べる機会なんてそうはありません。そのため「自分の胸は離れているかも?」と悩んでも、実際に離れているかの判断はしにくいのです。
でもトップの位置の離れ具合は意外と簡単に判断出来てしまいます。離れ乳の判断は理想的なバストの位置と自分のバストを比べれば良いのです。
理想的なバストの位置はゴールデントライアングル
美しい見た目になる理想的なバストは鎖骨の中央にあるくぼみと両胸のトップを線で結ぶと正三角形を作れます。でもトップが離れていると底辺の長い二等辺三角形になってしまうのです。
そのため自分のバストがどんな三角形を描くかで形の良し悪しを測れます。ところがメジャーで測るのは意外と面倒で大変な作業です。
そこでおすすめなのはスマートフォンを活用した測り方になります。
下着を着けずにスマホで鏡に映る自分を正面から撮り、画像加工アプリで正三角形を写真に合わせると離れ乳かどうかの判断が可能です。
離れ乳の原因が生まれつきとは限らない
自分のバストが離れ気味で谷間も作りにくいなら、何とか改善したいところです。でもその前に1つ確認しておきたいことがあります。
それは「そもそもなんで離れ乳になってしまったのか?」です。
離れ乳は現在進行形で今よりひどくなる可能性もあり得ます。これを防ぐには、原因を把握して予防に努めることが大切です。
ちなみに骨格が原因でバストが離れ気味だから「何をしても意味がない」という考えは良くありません。骨格がどうであれ後発的な離れ乳になる可能性はあるからです。
骨格や体型が原因の離れ乳は治らない
生まれつきの骨格や体型が関係して離れ乳になっている場合、これを改善することは出来ません。
該当するのは体型のタイプで紹介した「骨格ストレートの外側を向いた離れ乳」や「ふくらみの位置が離れたバスト」です。
でも胸が離れる原因は日々の生活にもたくさん隠れています。
つまり気を付けるべきなのはむしろ日々の生活によって引き起こされる外への流れなのです。
お肉が外に流れてしまうのは、バストにかかる負荷を考えるとわかりやすいかもしれません。
バストにかかっている負荷
バストは日々、重力の影響を受けています。その力は立っていると下側に向きますが、体を動かすとバストに振動が伝わり上下左右に揺れることになるのです。
また寝ているときは横向きでも仰向けでもお肉は下だけでなく横に流れます。
このようにバストは下や左右に流れる力が毎日のようにかかっています。もちろんお肉が流れても、簡単に元の形が変わることはありません。
それは皮膚やクーパー靱帯がバストの形を維持するために働いてくれるからです。
クーパー靭帯の損傷
クーパー靭帯は、内側でクモの巣のように何本も靱帯が連なりバストを支えています。イメージで言うと綿あめに割りばしを何本もさして落ちるのを防いでいる感じです。
このクーパー靱帯は多少の伸縮なら出来ますが、伸びきってしまうと元に戻りません。また強い衝撃が加わると損傷してしまいます。
下側や左右に流れようとする力がバストに働いても、支える力が強ければ反発することも可能です。
でも正常なクーパー靱帯が少なくなると、流れようとするお肉に逆らえなくなってしまいます。
- 産後のサイズ増減
- ダイエットなどによるサイズ増減
- バストを激しく揺らしてしまうスポーツなど
- ホールド力のないブラジャーの多用
- ノーブラの時間が長い
この中で対策をとるのが難しいのはサイズの増減です。サイズがアップする授乳期を終え卒乳を迎えると、伸びたクーパー靱帯や皮膚はたるんでしまいます。
一度伸びたクーパー靱帯は縮むことが出来ないため、サイズの減少があると靱帯の長さが合わなくなってしまうのです。
でもそれ以外の原因は気を付けておけば防げます。
例えば激しい運動をしても、スポブラでしっかりサポートすればクーパー靱帯への影響もさほどありません。
また日中にフィットするワイヤーブラを着けたり、就寝時にナイトブラを利用することでノーブラの時間を減らすことは出来るのです。
皮膚(肌)の衰え
外側からバストを覆う皮膚(肌)は水風船の風船部分です。その皮膚は一定の周期で再生を繰り返し、ハリや弾力を保ちます。
ところが皮膚の再生する周期はエイジングで長くなり、結果としてハリや弾力が衰えてしまうのです。
若いときは弾力があり多少の伸縮も出来ますが、年齢を重ねると伸びた皮膚が戻らずにたるんでしまいます。
またエイジングに関わらず、伸びすぎた皮膚は元に戻りません。
皮膚がたるむと下垂したり外側に流れようとするお肉を抑え込めなくなり、離れ乳が進んでしまうのです。
皮膚の潤いを保ちハリのあるバストを維持するには、血の巡りやリンパの流れを良くしてあげるのが効果的です。
筋肉の衰え
バストの土台となっているのは大胸筋と言われる筋肉で、クーパー靱帯と繋がっています。
大胸筋は普段の生活で何をするにも使う筋肉なのに、力強く使う場面が意外と多くありません。そのため意識的に鍛えてあげないと、衰えやすい筋肉です。
大胸筋が衰えると土台が安定せず、トップの位置が下がったり外へ流れやすくなってしまいます。
小胸筋は肩から胸を吊るすような筋肉で、大胸筋の内側にあるインナーマッスルです。天然のブラジャーとも言われる筋肉で、胸を引き上げて寄せる力を持っています。
小胸筋が衰えると胸を引き上げる力が弱まって、垂れたり離れたりする原因となってしまうのです。
筋肉の衰えは筋トレをすれば確実に防ぐことが出来るので離れ乳に悩むならきちんと取り組むことをおすすめします。
胸が柔らかくて流れる
乳腺と脂肪によって出来ているバストは、柔らかいのが特徴です。この乳腺組織は20代を過ぎると徐々に退化して脂肪組織に変わるため、脂肪の割合は更に増加します。
脂肪が増えるということは更に柔らかさが増すということなので、お肉も流れやすくなってしまうのです。
柔らかさに個人差はあるものの、加齢で脂肪組織が増加してしまうのは避けて通ることが出来ません。
対策としてはバストを自由にさせる時間を極力減らし、ホールド力の高いブラでお肉を固定することになります。
原因がわかると離れ乳対策も明確になる
離れ乳になりやすくなる原因がわかったら、次は具体的なケアの方法です。簡単にできる離れ乳対策を列挙すると次の4つになります。
内容 | 効果 | おすすめ度 |
---|---|---|
ブラジャーの見直し | バストにかかる負荷の軽減 |
|
筋トレ | 筋肉の衰えをカバーする |
|
バストマッサージ | 皮膚の衰えをカバーする |
|
ナイトブラ | バストにかかる負荷を軽減して形を補正 |
|
離れ乳の予防や改善にはフィットするブラの着用が大切
ブラジャーはバストを外側からサポートして揺れや流れを防ぐ大切な役割を担います。ところが合わないブラジャーは逆効果になってしまうこともあり注意が必要です。
- ブラが緩いと揺れや流れをきちんと防げない
- ブラがきついと血流が悪くなり栄養が届かなくなる
ブラの役割をきちんと果たすにはジャストサイズを選ぶことが重要です。ところがワコールの実施した調査によると、正しいサイズのブラを着けている女性は実に少ないことがわかります。
体型は年を重ねることで刻々と変わるため、前とサイズが同じとは限りません。
またブラトップはとても楽なので使いたくなりますが、ホールド力も弱いのでバストは流れやすくなってしまいます。
離れ乳の悩みを抱えるなら極力避けるのが良い判断です。
部屋でくつろぐ時間の下着には、ブラトップが便利かもしれません。でも同じようにリラックス出来るナイトブラなら離れ乳対策も出来るのでおすすめです。
離れ乳の改善に効果のある筋トレ
離れ乳を助長させてしまう原因には、筋肉の衰えというものがありました。でも別の言い方をすれば、筋肉を鍛えると離れ乳になりにくいとも言えるのです。
- バストの土台となる大胸筋
- 天然のブラジャーと言われる小胸筋
大胸筋は手を動かすだけでも使う筋肉ですが、力を入れる動作は意外に多くありません。そのため意識して鍛えないと衰えやすい筋肉です。
また小胸筋は大胸筋の内側にあるインナーマッスルで胸を吊り上げるような筋肉になります。
近くにあるこれらの筋肉はどちらかを鍛えると、同時にもう一方の筋肉を鍛えることに繋がります。
ちなみに筋トレの目的は大胸筋や小胸筋の衰えを防止することです。もちろんゴリゴリな筋トレではないので、健康的に少し体を動かす程度と思えばストレスに感じません。
離れ乳を改善するためのマッサージ
バストを外側から支える肌は一定のサイクルで再生し、ハリや弾力を保ちます。ところが年を重ねると再生するサイクルが長くなり、ハリのない肌になってしまうのです。
肌が衰えるとバストはたるみやすくなり、お肉も左右に流れてしまいます。その肌にハリや潤いを与えるには、バストに栄養をしっかり届けることが重要です。
そこで効果的なのが血流やリンパの流れを良くするバストマッサージ。
マッサージは体に栄養や酸素を届ける血液や老廃物や余分な水分を流してくれるリンパをスムーズにします。
肌のハリや弾力を維持すればデコルテにもボリュームが生まれ、若々しさも増すのです。
また脇や背中のむだ肉をスッキリさせる効果も期待できるので、メリハリのあるボディも目指せます。
血流を良くするバストクリームで相乗効果
バストマッサージと併用して使うと効果的なのがバストクリームです。保湿やハリなどに効く美容成分が含まれていて、弾力のあるバストを目指せます。
多くの商品でバストアップに効果的な成分も含まれているため、ボリューム感に自信のない場合は特におすすめです。
マッサージで血液やリンパの流れを促進し、美容成分を塗ることでハリや潤いを高めると左右へ流れるお肉を抑える力も強まります。
離れ乳の改善に必須のナイトブラ
寝ているときや部屋でリラックスする時間はノーブラでいる女性も多くいます。でもバストが左右に流れやすいのは日中よりもむしろ夜の時間帯。
リラックスタイムにケアをしなければ、バストの形は大きく変わる可能性があるのです。そのケアとして筆頭に挙げられるのがナイトブラを着けること。
離れ乳の悩みを抱えるなら、ナイトブラが必須のアイテムと言っても過言ではありません。
ナイトブラが離れ乳の改善に効果的な理由
日中のバストは下側に負荷がかかるため、ワイヤーブラの構造は下向きの力に強く出来ています。
ところが寝ているときの胸は上下左右に負荷がかかるため、全方位の流れを抑える必要があるのです。中でもお肉の横流れを自由にすると、離れ乳を助けることになってしまいます。
そのためナイトブラは基本的に全方位からバストを支える構造です。またナチュラルに寄せ上げで、トップの位置を無理なく補正してくれます。
筋トレやマッサージと違い、ナイトブラは外部的なサポートでバストの形を整えるアイテムです。
ちなみに骨格ストレートの女性は大きなバストの持ち主も多く、これ以上大きく見せたくないと悩む女性もいます。
でもナイトブラは無理なリフトアップではなく、自然な寄せ上げをするアイテムなので安心です。
>>離れ乳の改善に重要な就寝時のケアはナイトブラ!【おすすめ5選】
離れ乳を改善して理想のバストへ(まとめ)
胸が離れると見た目も貧相になり、全体的な印象も老けて感じます。離れ乳は骨格の問題だけでなく、バストの形を守る力が弱くなってしまうことが原因です。
日々の生活でバストは重量の影響を受け、下側や左右に流れる力が働きます。その重力に抵抗してクーパー靱帯や皮膚がバストをサポートしているのです。
ところがバストの形をキープするクーパー靱帯や皮膚は、いくつかの原因で弱くなってしまいます。
- クーパー靱帯の損傷
- 皮膚(肌)の衰え
- 筋肉の衰え
- 乳腺組織の退化(胸が柔らかくなる)
これらの原因をケアすれば、離れ乳の予防や改善に繋がります。そこでおすすめするのは筋トレやバストマッサージ、ナイトブラの着用です。
バストの形をキープする上で、ブラジャーはとても大きな役割を担っています。
もちろん日中のケアも大切ですが、バストが左右へ流れやすい時間帯は就寝時です。流れようとするお肉をしっかりとキープするナイトブラは非常に高い効果を見込めます